2012年8月8日水曜日

どんぐり


太陽がぎらぎら
にらむ
石畳が熱気を反射
真夏がやってきた
きょうきのうあした
むうっとおもたい
熱気に圧され
風をさがしながら
歩いて
木も苦しむのだろうかと
頭上をあおぐ


木のなかに
どんぐりがいる
沈黙して
別のことを考えて
とうのむかしに
準備をはじめて
どんぐりが、そこに
あおあおと、わかく
あおざめてはいても
しっかりした実となって
たくさんの葉陰に
いる

かれらは
ちがう世界にいる
掟がちがう世界に
どんぐりは
どんぐりは
すでに誕生し
すでに成長し
いきいきと変化し
なにも語らず
運命の日にむかって
疾走している
秋というよりは
むしろ冬をめざして

真夏なのに