2020年3月7日土曜日

病院での問答


病院の待合室にいると、待っている患者さんがどれほどの痛みに耐えているのかしら
と考える。そう考えることで、私自身の痛みに私は耐えようと努力しているらしい。
でも、赤信号じゃないから、みんなで痛くても、なんの解決にもならない。患者の
我慢が、 日本の医者をものすごく傲慢無礼にしているのかしらと、このごろは思う。

治療の前に看護婦?が私の右目の瞳孔を開きにくる。
次に、べつの看護婦が麻酔液を点眼する。
私は質問してみた。この質問は2回目だ。
「この麻酔は4回ですか?」
そうですという返事だったから、
「一回目の治療の時、なぜ、3回で治療が始まったのですか?」
すると、3回でも4回でもと、看護婦はなめらかに答えた。
「先生によってちがいます」
どっちでもいいんだという説明である。
「すごく痛かったのよ。どっちでもいいっておかしいでしょ。
 今日は、ちゃんと4回、麻酔薬を点眼して下さい」
看護婦はアイマイな顔になって返事をせず、向こうへ行ってしまった。
こんな納得できない問答ってあるだろうか。

痛い治療がなんとか終わって、今度は医師と問答をする。
なにか変わったことがありますか、ときかれたから、
前回の治療のあと、両目のはしが少し痛むと言うと、
めずらしくホウと反応、彼は私に、いつから痛むかときき、
「薬をだしますか、どうしますか 」と質問する。
なにがどうなって、両目の端が痛むのか説明してくれたわけでもない。
彼には患者を気づかう機能が全くないと思う。私はフンガイしたから、
「それは私が判断することなんでしょうか?」ときいた。
彼は木でデキた人形みたいに無表情で繰り返す。
「ええ、どうしますか?」
「私には判断できません、薬が必要かどうか。自分の目の状態がわからないし」
「でもあなたが痛いと言ったから」
 炎症の程度によって投薬の是非を決める、という説明である。
こんな返事ってあるのかと私はビックリした。
「もちろん痛いんですけど、なにが原因かもどの程度の炎症なのかも、
私には判断できません。 痛い箇所が、自分には見えませんから」
それでも、彼は私の返事を待っていた。
医者なのに、患者に投薬の是非を決めさせようとして。
私は返事をしないことにした。
・・・すると喧嘩になると思ったのかどうか、苦笑いをして、
「では…薬は出さないということに」と言うのである。

微苦笑する顔をみれば悪い人でもなさそうだけれど、こんなバカな問答は
納得できない。