2020年3月15日日曜日

カミュ「ペスト」


アルベール・カミュの「ペスト」が急に売れ出したと新聞に出ている。
疫病について、新聞やテレビ、パソコン以外で、よく考えてみたいわけだ。

図書館から前に借りだした本はくたくたの古本で、活字が小さいし読みにくい。
そう言うと、文庫本なら活字が少し大きいからと司書が予約させてくれた。
何人か先約の人がいるという話だし、図書館と公民館が閉鎖されてしまったから、
私は手で持てないぐらいほかの本を借りて、「ペスト」はもうあきらめた。
ところが文庫本がもどったからと、はやばや電話がかかる。
図書館は閉鎖中だけど、予約した本のみ受付で手渡してくれるという。

文庫本の「ペスト」は、先日借りた単行本よりは、たしかに活字が大きい。
しかしカミュって、気楽な本ばっかり手当たり次第に読んでいる者には難解だ。
私など、小説を読まなくなって久しいので、気が散っちゃって歯がたたない。
最近、この本を本館から借り出した多摩市民は3人?だったと思うけれど、
こんな本をよくもまあスイスイ読了したものだと、びっくりしてしまう。
頭がキレて文学的、むかし一度は読んだことがある、みたいな人かしら。
それとも仕事が出版業だったとか、であるとか。

これは奥付に昭和44年刊行とある、それって1969年、約50年まえの本。

翻訳者は宮崎嶺雄、東京帝大心理学科中退。 
バルザック、サンド、メリメ、カミュ等、多くの仏文学を翻訳紹介。
戦後創元社編集長を務めた人である。
明治の終わりに生まれた洒落た人。東京帝大だって!

うーむ、とにかくなんとかして読まなくちゃ。三分の一ぐらい読んだら、
どうやらやっと私にも読み方がわかってきたような。