2020年2月25日火曜日

「ぼちぼちいこか」


杖代さんが選んで持ってきた、図書館の絵本だ。
かばについて。今江祥智翻訳。
このかばはかばなりに、あれになりたい、これになりたいと思う。
開いた画面のこっちいっぱいにかばの気持ち、あっちにそれにはなれないよと。
これになりたい。                       なれないや。
じゃこれになりたい。                      なれないね。
これを絵本がずっと繰り返す。                 だめなんだよ。
                               むりなんだよ。
この繰り返しのデッカサはなんのためなんだろうか。
河馬は河馬なんだ、かばだってことが でっかいってことが、
うまれた歓びに、喜びに、慶びに、なんなくちゃいけない。
ほかのものになってみせたところで、それはまねっこなんだ。
自己否定のまねっこ。
そんな弱気で人類は昨今の混乱から逃げられるんだろうか。
たぶん、だめだね。

なれないやは、かばくんの発見、河馬くんの可能性のはじまり。
実力の土台。自然がいいんだ、けっこうなことだよ!
そういう大物風の精神風土が血の中にわきたてば、
なれないやは、運動会のスタートの合図、ピストルのどかーん!
朗読の営為とは、そう言ってるらしい文字を、音声化することだと思っている。

            「ぼちぼちいこか」という題名が気になってイヤだ。
       そりゃそうよね。76才だぞ。ぼちぼちいこかなんて思わない。
       でもそうやって考えてみると、子どもたちには、時間なんて、
        まだまだ、どこまでもどこまでも、いっぱいあるものだ。
       うまれてから少ししかたってないもん、時間なんてね。