2020年4月4日土曜日

絵本「いつもだれかが」


という絵本がある。
「おじいちゃんは、よく、お話をしてくれる」 で始まる。
聖書を読まない代わりにこれをパソコンのなんと言うんだっけマウスだ、
これって鼠という意味なの? それはともかく、マウスの下敷きにしている。
いわば私のお守りである。

絵本によれば、
ふつうのおじいちゃんなんだけど、このおじいちゃんのふつうの不運は、
見えない天使がぜんぶストップさせてくれている、
それが絵でわかる。おじいちゃんはそれ知らないのよね。
挿し絵のほうに、ひらがなで、まずこう書いてある。
ぼうや、わしはなにをしても、うまくいったんだぞ、、、。
それが物語のはじまりだ。

いまになって、私もこのおじいちゃんぐらいのトシになって、
急にそんな気になってきたから、変である。
おじいちゃんは小学校に行った。
事故。地面に穴ぼこ 。ならずものの待ち伏せ。ガチョウの襲撃。
ぜんぶ天使がストップさせている絵!

私は電車で経堂駅の小学校にいったけど、
よその家の玄関ベルを鳴らしては逃げた。流行りの遊びだったのだ。
いじめっ子だった。猫でもクラスの子でもいじめた。
秋なんか高い塀の上に腰かけて、
向こうから、よく行く小児科の先生が来たから、手をふって
きゅうに塀から仰向けまっさかさまに落っこちてみせたことだってある。
サービスのつもりだったんだけど、
先生は赤いひとで、太っちょで頭もハゲだったけど、まっさおになって、
私が落っこちたお屋敷の裏にすっ飛んできた。
私はいつもやるから知ってたんだけど、
先生は、秋だといつも落ち葉がびっしり塀の後ろにヤマのように
穿き寄せてあるなんて ぜんぜん知らなかった。
なんでそんなに心臓麻痺みたいに先生がビックリしたのか、
小さいから全然わからなかった思い出だ。

ユッタ・バウワー作・絵 ドイツのハンブルグ生まれ。
私は不幸にしてふつうの悪い子だったけれど、
このおじいちゃんは、なんだかよい子、災難のほうがワルイ。
だから天使が守るのかしら。
いやいや、いまでも生きているっていうことは、私にも
なんのかんのと理屈をつけて、助けてくれる天使がいたのよね。

と思いたい。