2021年1月10日日曜日

零下にある夜空

 
濃紺の色した空に、
投げ出されたような星が風に吹かれて、
斜めにかかっている。
東の空には驚いた風情の、淡い雲の壁。
西の空というと、どこまでも寒風にゆがんだ暗闇ばかり。
今夜は夜空がはるか遠方にあり、
西では星もそれぞれが氷のように透明分離して、
はすかいの風に飛んで輝いているせいか、驚くばかり美しい。

冷たくて寒くて、
風に見とれるというわけにいかないが、
厳寒の深夜というものは、
ビロードのように輝くにせよ、風に雲が飛ばされてゆくにせよ、
圧倒的に輝いて、凍る厳しい暗黒とともに、
決して忘れられない、なにかだと思う。