2021年1月8日金曜日

レストランに行った


萱野さんの小さな黄色いクルマが、坂をぐるぐるまわって走り、
高台にあるきれいで広いレストランで、お昼ごはん。

そこには、いろいろな野菜だとか手芸品だとかが置いてあり、
私はレストランに入るまえ、萱野さんの手提げを借りて、ついつい買い物をした。
いちごだとか、カブだとか、にんじんだとか。根生姜も買った。
べつにいそいだわけじゃないけれども、なんとなく私ってせっかち、
萱野さんはというと、のんびり売り場のあれこれを見て歩いている。
「あなたは買わないの?」ときいたら、
「私は食事が終わってから、帰りに買います」という。
そうよね、いま買うと重たいしじゃまよねー。
萱野さんは、あれもある、これもいい、おいしそうとか新しいとか、言ってる。
私はそうか、そうよねと、どうする気なのかついつられちゃって、カブなんか買う。
新鮮で、小さくて、かわいらしくて、安いカブなのである。

ふたりで話しながら食事をして、ゆっくりゆっくりハーブティを飲んだ。
雲のむこうの富士山をながめる。日差しがつよくてこまるほど温かかった。

帰りに萱野さんと私はまた、レストランを出て、小さい売り場のほうへ。
私なんかさっき買い物をしちゃったのに、まだ、なにか買えたらたのしいわけで、
無農薬、小振り、新鮮、安い・・・大根はうちにあるからいらないし、とか。
でも、びっくりしたことに、ほとんどのお野菜がいつのまにか買われて、
いまじゃもうあとかたもないのである。
苺だって、あんなにあったのに、ひと箱しか残っていない。
めったに買い物客が来ないような場所だという気がしていたのに、
いつのまにか小人が大勢やってきて、ばたばた買って行っちゃったのか、
腑に落ちない・・・。・・・あーあ。

カブの話。
まず、買い置きの豚肉によく下味をつけ、フライパンで焼いて、お皿に分けた。
そのフライパンに作り置きの出し汁をけっこういっぱい加え、
切り目を入れたかたい小さなカブを葉もいっしょに茹でる。
大蒜に生姜に塩コショウに、ターメリックになんのかんの。
固めの小カブはお醤油をかけると、びっくりするほどおいしかった。
このカブなんか、箱の中にたくさんあったけど、萱野さんって買えたのかな・・・?