2021年1月6日水曜日

モーリス君

 
このあいだのクリスマスに、健がクリスマスプレゼントだといって、
どっかーんとお金をくれた。
といっても、コロナ以来私は、たのしく「物欲」と別れをつげてしまい、
衣類なんかは大規模修繕の際、屋上コンテナの中に5,6年も放りっぱなした
セーターやワンピースを見つけ、古着数点を懐かしく着ている。

(しかもどっと痩せて、ボワボワしたパーマネントひっくりかえり頭だし)
自動車はもう運転しないから、買い物といったって、いまいち欲がないし。
 
プレゼントなんていいのに、とはいったけど年の暮れに、
指輪を二つ、とそれからモーリス君を買って、うちに連れてきた。 
指輪は二つとも細い□(四角)に小さな△(三角)の金の板がついていて、
その上にひとつはオニキスが、もうひとつにはなんだっけ、忘れたけど
小さい宝石?がついている。
四角い指輪で、
両手にべつべつにはめると、むかしから老人みたいな私の指が童話みたい。
でも指の爪に、ひるま草取りをした泥がのこっていて、ガッカリだった。
それから、綿羊ふうの角の陶器のへんてこな置物を残りのお金で買ってもらった 。
胴体にチアシードが塗りこめてあるちょっと小さくて重たい羊、
葉がすこしのびかけているのをわけてもらう。
焦げ茶色のモーリス君である。
連れてくるとこの陶器の綿羊はケッコウだけど厄介だ。
毎日、クビのところから水を入れてやらないと緑のチアシードがもたない。
そのくせ日光にあてすぎても良くないと注意書きが、言ってる。
水もそうだけれど、健が、日光の件ではらはらしている。
私だってはらはらしている。
したがって、今のところモーリス君は、
しょっちゅう向きを変えて落ち着かないくらしである。 
 
そうしたら昨日は、オランダの遥からクリスマスプレゼントが届いた。
可愛い真っ赤な装束の小さなお人形と銀色の小さなクリスマスの木。
カードがあって。チョコレートと。
弟の健あてには、黒いTシャツだけれど、
真っ黒な夜空にこまかい星がちらばって、はしっこのかなたに、
小さい宇宙飛行士がひとり引っかかっているのがロマンティックだ。
世の中って、1.2とか1.3とかね、
必要不可欠な物のほかに、なくても生きていける物があると、
暖かくて幸福ね。