2021年1月7日木曜日

なんにもない日銭湯に行くと


身体があんまり冷えてしまい、左眼が痛くなり、
なんだか死ぬんじゃないかというほど寒くなった。
ま、いいやと風邪薬を飲んで、夕方ちかくお風呂やさんに行くことにした。
熱をはかっても36度3分だから、なんともないはずなのだ。
あたためれば元気がでるかも、と思ったわけである。

このお風呂やさんは調布の深大寺のむこうにあって、
男湯のほうにはヤクザがいつも来ているという話。
いつか女湯にも、全身刺青のすらりとした美人がきていて、
サウナから出るとさーっと水風呂へ。
ミス・ユニバースみたいな美人だったけれど湯殿全体がシーンとなった。
今日はそんな目の覚めるような人はいない。
しかし男湯のほうからはなぜか派手なわめき声がきこえてきた。

むすこの話では、ここのサウナは入ると親分さんと手下の人でもう満員、
お待ちしていましたと話しかけてくれて(!)場所をあけてくれて(!)
丁寧なんだけどやっぱり落ち着けない、とか。そりゃそうよね。
からかわれているみたいですもんね。・・・やくざ版応対ユーモラス。
そうだとすると、今日のあのわめき声は、なんなのか。
ヤクザにしてはめずらしい型のヒトが来場しているのかしら?

帰りのクルマの中で聞いてみたらば、
「えっ、わめきごえって?」
今日はヤクザは来なかったというのが返事である。
それで湯船じゃ、3人ばかりの人が本を読んでいた、というのである。

「本、読んでたの! 3人も? 湯船で?!」
わっ、いいな。そんなのありなの? そんなことしていいの!
「いいんだろうね、3人もそういう人がいたからね」
ヤクザは留守。今日は誰もなんにもしゃべらなかった。
こういう日はラクでいいよね、というのがわかる感じでおかしい。
じゃ、あのわめき声はなんだったのと、私はきいたけど、
そんなことあったかな。なんにも聞こえなかったよ。
それが息子の返事だった。

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